システム制御工学で取り扱う制御対象は、ロボットのようなメカニカルシステム、スマートグリッドのような電力システム、石油化学プラントの蒸留塔のような化学システム、大型な建築構造物、航空機・人工衛星、バイオシステムなど、多岐に渡っています。
その理由は、ダイナミクス(動特性/動力学)をもつシステムであれば、すべて制御対象になり得るからです。
そのため、工学システムだけでなく、ダイナミックな経済システムや社会システムなども、制御工学の対象とみなすことができます。
このように、制御工学は、理工学や非工学のさまざまな分野と関係する横断的な学問分野であり、現代工学の基礎ともいえる重要な科目です。
本講義では、制御工学の基礎である、信号・システム理論、古典制御から、少し進んだ内容である現代制御、システム同定、カルマンフィルタについて、平易に解説したいと思います。