製造業IoT実践的ラボ演習では,IoTを実現するための組込みシステムやサーバーの仕組みについて理解を深めると共に、データ収集・分析システムの開発を例題として演習を行う。本演習は大きく分けて2つのパートから構成されている。
(1)小規模組込みシステムの基礎
IoTにおけるセンサデータの収集には通常エッジノードと呼ばれる小規模な組込みシステムを利用することが多い。小規模組込みシステムを実現する方法として以下の2つの方法について学ぶ。
・近年スマートフォン等で広く使用されているARMプロセッサと書き換え可能な集積回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)とがひとつの集積チップ上に混載されているSoC(System on a Chip)をターゲットデバイスとして、それを利用した小規模組込みシステムの開発方法を学ぶ。ARM+FPGAデバイスを利用することにより、様々な応用に特化した組込みシステムを実現できる。
・オープンハードウェアであるRaspberry Piは、ARMプロセッサを使用したSoCチップを搭載しており、またLinuxベースのオペレーティングシステムが動作することから様々な用途に向けて利用できる組込みシステムである。Raspberry Piをエッジノードとして使用する方法について学ぶ。
(2) IoT事例 (データ収集・分析システム)
Raspberry Piをエッジノード(センサノード)として使用し収集したデータをサーバー計算機へ転送することで、容易にデータ収集・分析システムを実現することができる。本システムを実現するために必要なネットワークプログラミングなどの基礎技術について学ぶ。